2009年4月3日
内閣委員会:振り込め詐欺等の対策に関する質疑
【参考人】
米田 壯 警察庁刑事局長
武内 信博 総務省総合通信基盤局電気通信事業部長
【国務大臣】
佐藤 勉 国家公安委員会委員長
※ページの都合上、編集して掲載しております
| 大塚(拓) 委員: |
おはようございます。自由民主党の大塚拓でございます。 きょうは、振り込め詐欺のことを中心に、最後にやみ金について少し触れさせていただきたいと思っております。 振り込め詐欺というのは、あるときは親が子を思う気持ちにつけ込んで、またあるときは資金繰りに困った中小企業の経営者の状況というものにつけ込んで、とらの子の財産を巻き上げるという大変卑劣な犯罪でございます。 かく言う私の母親も実は被害者でございまして、私が友人の会社の保証人になっていた、ところが、その友人が夜逃げをしてしまった、こういう電話がかかってきて、大切な子供のためということで、ひっかかってしまったわけでございますが、実は、これが……(発言する者あり)まあ、その辺はちょっとあれなんですけれども、結構な金員を巻き上げられたわけです。 本人が、あ、ひっかかったと気づいた瞬間というもののショックというのははかり知れないものがあるわけでございます。せっかく自分の子供のためと思って何とかしなければと思ったものが、詐欺にひっかかって、実は子供のためどころか、むしろ迷惑をかけてしまったんではないかということで非常に自分を責める。こういう非常に卑劣な犯罪であることを私も身をもって実感をしているわけです。 自由民主党におきましては、振り込め詐欺撲滅ワーキングチームというものをつくりまして、警察庁とも一緒になって、これまでこの卑劣な犯罪の撲滅ということに向けて一生懸命取り組んできておるわけでございます。 特に、このワーキングチームにおいて、振り込め詐欺というのは、不正に取得をした携帯電話、それと銀行預金口座、この二つが犯罪者の二大ツールとなっているということがございまして、たび重なる議員立法であったり、あるいは各業界、関係省庁への働きかけということを通して、ここに重点を置いた対策をこれまでとってきております。 お手元に配付をしている資料をごらんいただくとわかるわけですが、例えば、平成十六年の改正本人確認法、あるいは平成十九年一月のATM十万円規制、こういったところで大きく被害額、被害件数ともに減少しているということで、効果を上げる対策をたびたび打ってきているわけでございますけれども、ごらんいただくとわかるとおり、その直後からまた再び被害の増加を続ける。要するに、犯罪者が、何か規制をかけるたびに新たなやり口というものを見つけて、イタチごっこのような状況になってきているということがわかるわけでございます。 その結果は、警察庁が昨年また大変なキャンペーンを張られまして、強化推進月間というものを二度、ことしに入って一度でございますけれども、やった、こういうことの効果も相まって、昨年の後半からずっと被害が減少してきております。三分の一以下というような形にまで被害を抑え込むということに成功してきているという状況になってきております。 ツールを不正に入手させないということのほかに、もう一つ重要なこととしては、結局、同じ犯人が犯行を繰り返している、しかも、組織立って犯行を繰り返しているということがございますので、こうした組織を根から絶たなければ、またイタチごっこの繰り返しになってしまうということがございますので、効果的に犯行グループを検挙していくという環境を整備していくことも実は大変重要なわけでございます。 通常、振り込め詐欺においては、不正に取得された携帯電話を利用してコンタクトをとってくる。そこが唯一の犯人の足跡ということになることが多いものですから、携帯電話の通話履歴というものを手がかりにして捜査を進めるということが非常に重要な捜査手法になっているわけですが、その捜査環境をいろいろ整えようということで関係者と議論している中で、一点だけ、これはどうしても関係者の折り合いがつかないということで残されている課題があるわけでございます。 それは、要は、携帯電話の通話履歴というものを参照しながら犯人の足跡をたどっていく、犯行グループにたどり着くという捜査手法なんですけれども、携帯電話の通話履歴の参照ということについて、これは、憲法二十一条で、通信の秘密を守らなければいけないということが規定をされているわけでございますから、非常に慎重に、すなわち裁判官による差し押さえ令状を取得しないと通話履歴が参照できない、こういうことになっているわけでございます。 そこで、警察庁にちょっとお伺いしたいわけですが、差し押さえ令状というものを取得するのに、被害が発生してから大体どれぐらいの期間がかかっているものかということをまず教えてください。 |
| 米田政府参考人: | 被害に遭われた方が被害直後に申告をしてこられるということはなかなか少ないわけでございまして、場合によっては一月ぐらいかかることもございます。少なくとも数日はかかるというのが普通でございます。そして、それを受けてさまざまな基礎捜査をして、実際に犯行に使用された携帯電話の通話履歴を差し押さえるというのに大体一月ぐらいはかかってしまうということでございます。 それから、その後捜査を進めまして、犯行に使われた携帯電話ではない、グループの仲間内同士の連絡に使う携帯電話、これは犯行に使う携帯電話とは全く別の携帯電話を使いますので、グループのメンバーの一端にたどり着いてからその連絡用の携帯電話を何とか割り出す、そしてそれの通話履歴を押さえるということになりますと、これは通常やはり四、五カ月ぐらいはかかってしまうということが多いということでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
要するに、捜査を進めるのには四、五カ月ぐらいかかってしまうということなわけでございます。 では、引き続いて警察庁にお伺いをしたいんですが、そこにおいて、現状、捜査上どんな問題が起きているかということを教えていただきたいと思います。 |
| 米田政府参考人: | 先ほども申し上げましたように、連絡用の携帯電話を突きとめ、その通話履歴を差し押さえるまで四、五カ月がかかります。その連絡用の携帯電話の履歴がありますと、それを分析することによってグループの全貌を、これはかなり高度の手法を使わなければなりませんが、グループの全貌を解明するということができます。 しかしながら、通話履歴は現在三カ月で消去されておりますので、そのような捜査まで至らないことが多いわけでございます。そうしますと、グループのメンバーの全貌をなかなか把握ができない。あるいは、グループの一部、特に下の方は検挙ができても、上の方、首魁、首謀者の方に及ばないということになってしまうわけでございまして、したがいまして、グループの中心部分は残ったままで、それがまた人を集めて新たな犯行を行うというようなことも起こっているところでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
そういうことなわけでございます。要するに、捜査をするのには四、五カ月かかるけれども、携帯電話事業者で通話履歴というものが保存されている期間が現在三カ月しかない。よって、最初、グループの末端の、かけ子と言われている電話をかけるだけの人間にたどり着いて、その後、犯罪組織を一網打尽にしようと思ってそこにたどり着いたころには、肝心な証拠がすべて消えている。よって、そこで捜査がストップをしてしまう。こういうことになっているわけでございます。 こういったことも一因となりまして、検挙率というものがそれほど上がっていない。平成十九年で一七・二%、平成二十年度で二一・五%ということでございます。 また、携帯電話の通話履歴をたどって捜査をするという観点からいうと、振り込め詐欺のみならず、例えば薬物取引あるいは銃器の取引といった、組織的にグループの存在を隠しながら進めていくこういった犯罪全般について、こういう捜査手法というものが非常に重要になってくるわけでございますから、この状況がいかに犯罪者にとって有利な状況になっているかということでございます。 この通話履歴の保存期間というものを、少なくとも捜査が必要な期間、五カ月、六カ月ぐらいにまで延長できないかということをワーキングチームでも昨年ずっと議論していったわけでございます。しかしながら、この議論が、幾ら議論しても平行線をたどってしまう。 どういうことかというと、要は、履歴の保存期間については、総務省の見解として、どれぐらいの期間履歴を保存しておくかということについては、一義的には事業者の判断ですよといいながら、一方で、憲法二十一条あるいは電気通信事業法四条などに規定している通信の秘密との関係から、電気通信役務を社会に提供するのに必要な範囲かどうかということが、妥当な履歴の保存期間かどうかということを判断する基準になります、こういうふうに言うわけでございます。 それを聞いた携帯電話事業者というものは、そうすると、三カ月というのを六カ月に延ばして持っていたことによって、総務省から、それはちょっと妥当な期間じゃないんじゃないか、長過ぎるんじゃないか、本当に電気通信役務を社会に提供するのに必要な範囲なんですか、こう聞かれてしまうのではないか、こういう指導を受けるのではないかということを懸念して、非常に及び腰になっている。 しかしながら、総務省としては、これがはっきりいいとも悪いとも言わない中で通信の秘密ということを強調されるという状況の中で、この話が進まなくなっている、こういうことになっているわけでございます。 これを何とか打開したいと思っているわけですが、まず確認をさせていただきたいのは、通信履歴、通話履歴というものを三カ月持っているものを六カ月に延ばしたからといって、これは情報の開示基準を変えるという話ではございませんので、開示基準というのはこれまでどおり、裁判官による差し押さえ令状があるかないか、法にのっとって裁判官が妥当と判断するかどうかということでございますから、これまでだったら開示されなかった情報に新たに開示されるという道を開くものではないわけでございます。 したがって、保存期間が三カ月であろうが六カ月であろうが十二カ月であろうが、第三者に開示されないという限りにおいて通信の秘密は侵されていないという点では同じなわけでございますけれども、では、この三カ月という期間には何か法的な根拠があるのかどうか、このことを総務省にお伺いしたいと思います。 |
| 武内政府参考人: | 携帯電話事業者が適法に保管する通話履歴の差し押さえにつきましては、裁判所が発付する令状に基づく捜査機関への提出が行われる場合、通話履歴の保存期間にかかわらず、通信の秘密の侵害となるものではないと考えてございます。 他方、先生が御指摘になられましたように、万が一漏えいした際の被害が甚大になるなど、業務上必要のない通話履歴を保存することにより通信の秘密が侵される危険が存在しますということで、電気通信事業者の業務上必要な範囲の通話履歴に限り保存、記録することとしているところでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
今お伺いしたかったのは、三カ月という数字に何か根拠があるのかどうか、三という数字に根拠があるのかということなわけですけれども、これは、時間の関係もあるので私から言ってしまいますけれども、ないわけですね。 要は、電気通信事業法にももちろんそういう具体的な数字が書いてあるわけではないし、その下に電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインというものもあるわけですけれども、個人情報の取得という部分、それから利用、通信履歴の記録というところについてはある程度の規制があるわけですけれども、一たん取得したり記録したりした情報をどれぐらい保存しておくかということについての規定はまずない。 三カ月という数字がどこにも出てきているわけではないということを、とりあえず確認していただけますか。 |
| 武内政府参考人: | 三カ月という数字を法律で決めているわけではございません。 |
| 大塚(拓) 委員: |
そういうことなわけです。別に三カ月に何か根拠があってだめだということではないということがはっきり確認されるわけでございますが、そうすると、総務省さんがおっしゃっていることは、それが業務上必要かどうかということが判断基準ですねと。業務上必要なのが三カ月なのか六カ月なのかということを考えるということになるわけです。 携帯電話というのは、もちろん重要な社会的インフラなわけですけれども、犯罪者が自由に利用するためのものではないということも、これまた同時に明らかなんだろうと思うんですね。 携帯電話事業者というものは社会の重要なインフラを提供しているわけですけれども、事業者として、その提供するサービスを犯罪者にとって非常に自由に使える環境に置いておかない、犯罪者を携帯電話事業の上で野放しにしないということは、企業として一つ社会的責任になるのではないのかな、こんなふうに思っているわけでございます。 当然、反社会的行動あるいは犯罪というものを野放しにしないということは、企業のみならず、一般市民にとっても一つの責務なわけでございますけれども、事業者の場合、特に犯罪者が自由にこの携帯電話会社のサービスを利用しているねということになりますと、広く一般社会からも、あの企業は非常に犯罪者に甘い、遵法意識とかそういうものが余り高くないのではないか、こういうことで、事業者の社会的信用そのものにつながっていく。事業者の社会的信用が低下すれば、当然、電気通信役務を提供していくということにも影響が及んでいく、さまざまな形で影響が及んでいくというふうに思うわけでございます。 そういうことを考えたときに、総務省として、犯罪者を野放しにしないという意味で事業者が社会的責任を果たすということも、電気通信役務を社会に提供していく上で必要なことなのではないかなと思いますけれども、その辺の見解をお伺いしたい、こういうふうに思います。 |
| 武内政府参考人: | 先生御指摘のとおり、携帯電話事業者におきましても、その事業遂行に当たりまして、一定の社会的な責任を果たすということは非常に大事なことだと認識してございます。 他方で、電気通信事業者の業務としましては、利用者の利益を保護する、あるいは電気通信役務の円滑な提供を確保するということで、専ら犯罪利用対策に取り組むこと自体を電気通信事業者の業務であると言うことは、難しいところがあるかと存じます。 携帯電話事業者におきましても、社会的責任を果たすということで、振り込め詐欺の被害の増加を踏まえまして、二〇〇八年以来順次、例えば契約者確認ができなかった利用者のブラックリストの共用化ですとか、あるいは契約回線数の制限ですとか、そういうさまざまな取り組みを行ってございまして、効果を上げつつあるものというふうには承知してございます。 総務省といたしましても、引き続き携帯事業者がこういうふうな社会的責任を果たしていくということを期待しているところでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
そうなんですね。もともと携帯電話会社というのは、そんなに歴史のあるわけでもない、割と最近成長してきた企業ということで、銀行などに比べて、犯罪対策とかそういうところにまで余り目が回っていなかったという実態があるわけでございますが、それについて、携帯電話事業者の方も大変いろいろ御協力をいただいて、今御指摘になったようなブラックリストの共用化とか回線数の制限といったようなことに取り組んでこられた。 そういう意味で、携帯電話事業者としては非常に、社会的責任を果たそう、こういうふうになってきているわけでございますが、その中で、総務省さんがなかなか、犯罪捜査に協力をしていこうということについて、いいのか悪いのかがはっきりしないということをずっとおっしゃっているもので、その部分について及び腰になっているという側面があるわけでございます。 そういう観点からいうと、今の御答弁だと、専ら犯罪捜査に取り組むことが、協力していくことが電気通信、携帯電話事業者の責任じゃないということは、当然そうなわけでございますけれども、当然、電気通信事業を営んでいく上で、いろいろなことをやっているわけですね。広報宣伝活動もそうかもしれませんし、株主対策みたいなこともあるかもしれないし、組織の中でのいろいろな経営上の工夫もしなければいけない。 そういうことが全部相まって携帯電話事業というものが円滑に遂行できる、サービスを滞りなく提供していくことができる、こういうことになっているわけですから、当然、社会的責任を果たしていくということも、企業の社会的信用というものを維持することを通じて業務上必要なことになるんじゃないかな、こういうことを申し上げているわけでございます。だから、例えば銀行にしても、これは一民間企業であるけれども、犯罪対策ということに非常に一生懸命取り組んでこられているわけでございます。 また、このガイドラインを見ましても、「通信履歴」という項目の中に「不正利用の防止その他の業務の遂行上必要な場合に限り、記録することができる。」これは記録についてであって、保存ではありませんけれども、こういうことも書いてあるわけでございますから、いろいろ幅広くとらえて、業務上必要な場合はこういうものを保存していくことができるというふうに考えるべきではないかなと思うんですけれども、もう一度答弁をお願いできますか。 |
| 武内政府参考人: | 先生御指摘のとおり、携帯電話事業者も社会的な責任を果たすことが非常に大事なことだということで、いろいろな取り組みはしているところではございますが、こういう犯罪捜査というものを業務の中の一つとして取り上げることは、ちょっと難しいところがあるのではないかというふうに考えているところでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
その辺を余り詰めるとややこしくなってもいけないなという気もするんですけれども、必要だということはお認めになられている。業務の一環としてということなのかどうかという観点で多少留保が残っているのかなというふうに思うわけでございますけれども、これは間違いなく、必要なことは必要なわけですよね。 ちょっと別の観点でもう一つお伺いしてみたいわけですけれども、最近、時代の変化というものがありまして、携帯電話を持って海外出張に長期に行かれるという方も多くなってきている。場合によると、三カ月ぐらい海外をずっと回っているということもあるわけでございます。そうすると、三カ月海外に出張している間には、自分のところに請求書が来て、その請求が妥当だったかどうかということを確認ができないということになるわけでございます。 また、本人確認の厳格化ということを進めている中で、この二月から、各社そうだと思いますけれども、請求書ベースでの回線契約というのができなくなって、口座振替かクレジットカードというものに限定をされてきたということになっています。どういうことかというと、本人が幾らだねと確認して支払うという行為なく、毎月自動的に引き落とされていくので、ついついうっかり確認をしない。場合によっては、こんなに電話していないはずだよという過大な請求があっても、気づかずに見過ごしてしまうというリスクも、利用者側から見て高くなっているということもあると思います。 こういったことをもろもろ考えると、利用者保護という観点から、これまでの通信、通話履歴の保存期間というものに再検討を加える余地が出てきているのかな、こんなふうに思うわけですけれども、この点についてどう思われるかを教えてください。 |
| 武内政府参考人: | 先生御指摘のとおり、最近ですと、クレジットカードによる決済を選択する利用者が増加しつつあることに加えまして、海外へ行った場合の国際ローミング等の料金体系や、提供するサービスの内容が非常に多様化しているというところがございます。携帯電話を取り巻く利用状況は日々変化しているところでございます。 また、これも先生御指摘のとおり、昨今、利用者利益への一層の配慮というものが求められているところでございまして、携帯電話事業者におきましても、利用者からの問い合わせ等への対応等、充実が求められているところでございます。 こういうことを踏まえまして、携帯電話事業者において、電気通信業務の遂行の必要最低限の範囲ではございますけれども、適切な履歴の保存ということを考えていくことが重要かと考えているところでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
そうすると、そういった利用者保護という観点、時代の変化、こういったこと、それから私企業として社会的責任を果たしていくかどうか、こういった観点を総合的に考えると、現在三カ月である通話履歴の保存期間というものを延長する方向で見直していくということには相応の妥当性がある、こういう状況なのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。総務省。 |
| 武内政府参考人: | 保存期間につきましては、先ほど申し上げましたように、個々の事業者の課金の業務の対応ですとか、それを取り巻く環境変化により判断されるべきものでございまして、このような携帯電話をめぐる利用環境の変化ですとか、あるいは利用者保護に対する社会的要請の増大ということを踏まえまして、その業務上必要な期間について、携帯電話事業者において必要な見直しを行うということが期待されるところでございます。 |
| 大塚(拓) 委員: |
ありがとうございます。 現在三カ月である通話履歴の保存ですけれども、これを、状況を見て、現在の最新の社会情勢に合わせて延長していくという方向で見直しをかけていくことは総務省さんも期待をされているということがわかりましたので、これを踏まえて警察庁の方から、大臣の方からですか、所感をちょっとお伺いできれば、このように思います。 |
| 佐藤 国務大臣: |
先生冒頭おっしゃられたように、振り込め詐欺におきましては、家族の愛情、情愛、人の善意につけ込む極めて卑劣な犯罪であるということは御承知のとおりであります。多額な被害も出ているということも、先ほど先生の表を示されたとおりであるというふうに思います。 警察を初め関係省庁、業界の努力でさまざまな対策を講じているところでございますが、御指摘の通信履歴の保存期間の延長についても、犯人の検挙に大いに役立つという観点から、それが実現するならば大変喜ばしいものというふうに思っております。 ただ、携帯電話の事業者等々にも大変な御負担をかけるということも踏まえて、慎重に対応してまいりたいというふうに思っております。 |
| 大塚(拓) 委員: |
そうですね、携帯電話事業者さんも、履歴をさらに保存しておくということで御負担になる部分があるわけでございますから、これは事業者の判断というところが重要だ、こういうふうに思います。 振り込め詐欺については以上でございますけれども、最後に、やみ金について一つだけ質問をさせていただきたいと思います。 ちょうど、やみ金の犯罪集団というのがこの振り込め詐欺の犯罪集団と層が一致するというか、やみ金を絞り込むと、やみ金に対する取り締まりを強化すると振り込め詐欺に流れる、振り込め詐欺を取り締まるとやみ金に流れるといったような、こういう関連性がつとに指摘をされているところであるわけでございます。 特に、ここで振り込め詐欺、ぐっと取り締まりの強化をしてきて、撲滅に向けて大変な効果が上がっている。さらに、貸金業法の改正ということをやったわけですけれども、実は来年の六月にこれの全面施行ということになるわけでございます。この中で、総量規制とか金利規制とか、貸金業者が一番対応に苦慮をする、これまで貸していた人に貸せなくなる、こういう状況が来年の六月に訪れる。 もとより、今景気が非常に悪化をしていて、生活の資金に困っていらっしゃる、こういう方がふえてきている。こういう状況の中で、やみ金にとっては千載一遇の商売のチャンスというものが訪れるのではないか、こういうところが懸念をされているわけでございます。 こういった状況を考えると、この先一年、二年という期間、来年の六月、貸金業法の最終施行というところを挟んだ期間、ここに、やみ金がそういう状況を悪用して荒稼ぎをしないために、警察として、この取り締まりを特に、これまで以上に体制を強化して徹底的に取り締まっていくということをしていくことが必要ではないかな、このように思っておりますけれども、どうお考えか、大臣からお伺いをしたいと思います。 |
| 佐藤 国務大臣: |
警察におきましては、多重債務者対策本部で決定をされました多重債務問題改善プログラムを受けまして、すべての都道府県警察においてやみ金融事犯の集中取り締まり本部を設置するなどいたしまして、取り組みの強化を続けているところでもございます。 先生御指摘の情勢を十分に踏まえまして、今後とも被害者からの相談に適切に対応するとともに、暴力団の関与する事犯を初め、悪質なやみ金融事犯の取り締まりを強力に推進していくつもりでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 |
| 大塚(拓) 委員: |
警察の方でもこれまで大変取り締まりに尽力をされていただいていることはよくわかっているわけでございます。その中で、とりわけこの先一年、二年というところを、これまで以上に体制強化して頑張っていただきたい、このように思っておりますので、お願いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。 |

